2030年度に導入される小中高校の学習指導要領の議論が今月25日に始まりました。
何かとお騒がせもあった島根県知事ですが
文科省の学習指導要領改定諮問にある「各学校や教育委員会で創意工夫を最大限引き出し」の文言を取り上げ「学校の先生にもっと創意工夫しろと言うならば残業は減らないし、働き方改革も進まない」「自分たちの戦略が間違っているのに現場の部隊で何とかしろと言っている」と文科省を批判しています。
また「義務教育を何とかしなければならないとの職責を持っていない」との発言も。
文科省のトップもこの数年は一年前後でコロコロと変わっていますが
阿部俊子現大臣も、どこまで引継ぎをされ、現状を把握され、危機感を持たれているのかは定かではありません。
「文科省、中教審、教育委員会、学校、人の健康や命を第一に舵を切る人はどこにいるのだろう」。
実際、現場の先生方はというと
教育に対する個々の熱い想いや価値観をレーザービームのごとく四方八方に発射しているタイプと
慢性人手不足の交通大渋滞、溢れる業務量と合わない業務内容とで疲れ果ててしまい、半ば惰性で過ごしているタイプの二極化しています。
先日は、公立学校教員について下記の通り報道がされていました。
2023年度、精神疾患による公立学校教員の休職者が7119人と過去最多になったことや
児童生徒への性犯罪や性暴力で懲戒処分になった公立学校教員は320人で、これまた過去最多になったこと…
これに紐づけされるように、2024年10月に政府が発表した「自殺対策白書」によると、2023年の小中高生の自殺は513人。過去最多だった前年(2022年)の514人と同水準で高止まりしています。
自殺の原因は家庭や学校の問題に加えて、健康問題が多く、健康問題の中にはうつ病が含まれています。大人同様、子どもの自殺にもうつ病は大きく関係しています。
人の心と体が年々、確実に蝕まれている光景は
「国の発信に忠実に従うことが時代にあった正義であり、道徳なのだ」
という戦時中の思想と重なって仕方ありません。
今年は、盛山正仁前文部科学大臣や報道各社等に拙著を献本してみましたが、きっと「何これ、誰これ、忙しいのにやめてほしいよね〜。ポイッ」という感じだったのかな。
とにかく、人の心身の健康を第一に考えた教育であってほしいと切に願う毎日です🙏