「本離れが増えている原因は、長文離れである」というニュースをみました。
解説者の文芸評論家の三宅香帆さんによると、コロナ禍を経てショート動画が普及したことで、短い文章・動画で面白さを得ることに慣れて、長いものが億劫になっている傾向があるそうです。
実際にTikTokを利用している10代の割合が
2020年→約21%
2024年→55%と増えているとのこと。
(NTTドコモモバイル社会研究所より)
三宅さんは「長文には様々な要素が入っていて、自分の観たことのない世界への想像力が身につくメリットがあります」と話されていたのですが、特に私が気になったのは次の解説でした。
「長文離れのリスクとしては、他者の声に長い時間耳を傾けることができなくなり誤解を生みやすく、不寛容な社会に繋がります」
…不寛容な社会?
これは大変。
誰もが安心して子育てや教育をするには
どうしても社会が寛容でなければならないのです。
まずは「ある程度の読書好きを育てる」という点で学校の図書の時間の話をすると、大抵子どもたちはいい顔をして読んでいます。
疲れていたり、気分が乗らなければ、静かに目を閉じていてもいい。
かつて読書が苦手な男の子に、文字を指で辿りながらゆっくり小さな声で読み聞かせしていたこともあります。
怪談話が好きだったその子が「もっと読みたい」と怪談全シリーズを嬉しそうに持ってきた時には、多少ノルマを感じてしまいましたが…
読書の時間はどのような形で過ごしても、子どもの心に余裕を生むいい時間です。
きっと、この子たちが寛容な社会を築いていってくれるでしょう。